ウィーン音楽の旅2019年(12)-ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団

旅の5日目2019年6月2日(日)のつづき。14時半に背広に着替えてホテルを出た。ウンテレスベルヴェデーレの電停からトラム71系統でシュヴルテンベルクプラッツへ。ここから3分ほど歩いて楽友協会。

15時にロビーから上に昇る階段が開放されたので、階段を昇って客席に入る。本日の席は2階右側面、舞台側から数えて7番目の扉を入ったバルコンロジェ席の1列目である。2階バルコンロジェ席は後ろに扉が8つあり、それぞれの扉から入った区画はロープで区切られているが、またぐことができる。

1列目のみが固定席で、2列目と3列目は動かすことのできる背の高い椅子が置かれている。2列目、3列目はチケット代が安いのだが、舞台がほとんど見えない。そのため、ウィーンフィルの満席の演奏会では立ったままで聴いている人も見かける。1列目でも舞台は3分の2くらいしか見えない。

本日は大編成のオーケストラで、1階客席の前方3列の可動椅子を取り払って舞台を広げている。あとで数えて見たらヴァイオリンだけで34人の大編成であった。鍵盤楽器が4台、打楽器も多数並んでいる。

客の入りは8割くらいだろうか。2階のバルコンロジェ席はがらがらに空いている。15時30分にバルコンロジェ席の後ろにある扉が閉められると、2列目と3列目の人は1列目の空いている席にすばやく移動した。安いチケット代で聴くうまい方法である。

ミハイル・シェーンヴァントの指揮でまずはバルトークの「中国の不思議な役人」Op.19。1927年の組曲版。ストラヴィンスキーの「春の祭典」を思わせるばりばりの現代音楽である。

シェーンヴァントはエネルギッシュな指揮で、フォルテシモとピアニシモをダイナミックに振り分ける。オーケストラは小さな音でもきれいな響きでなかなか上手い。

続いてほぼ同じ編成でハンガリーの現代作曲家クルタークの「コンチェルタンテ」Op.42。ヴァイオリンとヴィオラの独奏が指揮者の両側につくが、二人とも日本人であった。ヴァイオリンの菊地裕美とヴィオラの波木井賢で、いずれもクルターク作品の演奏では作曲家自身の絶大なる評価を得ているらしい。この曲も彼らのために作られた曲のようだ。

曲はまさに現代曲。しかし出だし1分も経たないうちに指揮者が音楽を止めた。そして客席に断ってまた最初からやり直した。けれどどこがまずかったのか聴いていても私には全くわからなかった。

独奏者は二人とも途中から電子楽器に持ち替えたが、これもいい音だった。曲自体はなんだかよくわからないうちに25分ほどで終わった。ウィーンに来るとクルタークの曲を聴くことが多いが、人気があるのだろうか。

休憩後はドヴォルザークの序曲3部作「自然と人生と愛」Op.91-93。第2曲の序曲「謝肉祭」だけは有名だが、あとはほとんど演奏されることがない。

第1曲は序曲「自然の中で」Op.91。編成は大きいままで、いきなり弦楽の音が濁るのもかまわず爆発的に響く。続いて序曲「謝肉祭」Op.92。これはさらなる爆演で、メロディラインがわからなくなるほどの音の洪水。3曲目の序曲「オセロ」Op.93も爆演であった。

ヨーロッパでは音が濁るのを嫌う指揮者が多く、最強音でも各楽器の音が聴き分けられる演奏が多い中で、この爆演はウィーンの聴衆好みではないような気がする。しかし私的にはまさに好みの演奏であった。

アンコールなしで17時30分終演。興奮冷めやらぬままホテルに戻った。

写真はウンテレスベルヴェデーレの電停に来たトラム71系統(2019年6月2日撮影)。

画像


楽友協会(2019年6月2日撮影)。

画像


2階右7扉バルコンロジェ席1列目から見た舞台(2019年6月2日撮影)。

画像


向かい側2階左バルコンロジェ席の全体を見る。後ろに扉が8つあり、いちおう8区画に分かれている(2019年6月2日撮影)。

画像

"ウィーン音楽の旅2019年(12)-ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント