グヴィの交響曲全集

久しぶりにCDを聴いた感想を書く。本日はテオドール・グヴィの交響曲全集について(CPO; 777992-2)。4枚組。演奏はジャック・メルシエ指揮のザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団。2007年から2010年にかけての録音。

HMVオンラインのセール情報を何となく見ていたらグヴィの交響曲全集のCDが目に入った。グヴィという名前は全く知らなかった。1819年生まれとなっていたので、私の好きなロマン派の作曲家ということで気になった。

Wikipediaによればドイツ西部のザールブリュッケンに生まれた人。当地はフランスとドイツの係争地だったが、生まれた時はプロイセン王国の支配下にあったためフランスの市民権が得られず、パリ音楽院に進学できなかった。ドイツのベルリンやライプチヒで音楽を学び、32才になってようやくフランス国籍を得たとのこと。

早速購入したのであるが、お取り寄せのため入手までに1カ月半かかった。CDは4枚組で、6番までの交響曲と、シンフォニー・ブレーヴェ、幻想的交響曲、シンフォニエッタの計9曲が収められている。

曲はロマン派前期の特徴を備えたものであるが、メンデルスゾーンよりシューマンの影響を強く受けているように聴こえる。メンデルスゾーンふうの流麗な旋律はあまりなくて、シューマンふうの少し渋い旋律と和声が支配する。

例えば1844~45年に作曲された交響曲第1番変ホ長調Op.9の第1楽章は、3年前の1841年に作曲されたシューマンの交響曲第1番変ロ長調「春」の第1楽章にそっくりである。続く2~4楽章もどことなくシューマンっぽい。第3楽章のアンダンテ・コン・モートの旋律などシューマンと勘違いしそう。

シューマンの交響曲第1番は1841年3月31日にメンデルスゾーン指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によって初演されたので、グヴィも聴いていたのではなかろうか。

グヴィの交響曲第1番から第5番までは1844~1857年の間に書かれているのに対し、第6番は1889年に書かれ1892年に改訂されている。グヴィが70才になった晩年の作品であるが、若い頃のようなインスピレーションにいささか乏しくなってしまっているように思う。

これらの中で特に気に入ったのは交響曲第5番変ロ長調Op.30。4楽章で23分ほど。6曲の交響曲の中で最も短いが、舞踏組曲と言ってもよいようなリズミックな曲。

ロマン派の知られざる作曲家をまた開拓した。私の好みからするとメンデルスゾーンふうの旋律が美しい作曲家のほうが好きなのだが、グヴィもシューマンふうとは言え、おやと思う魅力的な旋律も出てくる。今後も時々聴くことになるだろう。

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